「ピィピィーッ」
主審が笛を吹き、グラウンドの外を指さした。
選手交代が行われるようである。
タッチライン際には、交代する選手が立っていた。
どうやら自分のチームの選手が交代するようだ。
第4の審判から交代する選手の背番号が呼ばれた。
「交代選手8番アウト、17番入ります」
8番を付けた選手が、グラウンドの外に出た。
わずか10分間での出場であった。
これは、ぼくがやっている社会人サッカーの先日行われた試合での一幕。
背番号8番を付けたぼくは、一瞬何が起こったのかわかりませんでした。
後半から出場して、わずか10分で交代。
屈辱てきな交代。
爆発しそうな感情を抑えながら監督のもとへ行き、交代の理由を聞きました。
「すまん、イエローもらったから」
「(イエロー)2枚目もらうと10人になるから」
監督から、交代の理由を聞いた私は、ベンチから少し離れたところに腰を下ろし、気持ちを抑えるのに苦労しました。
目次
サッカーのイエローカードの基準と1枚目を帳消しにする方法とは?
いやー、辛かったですね、先日の途中交代は、、、。
いままで何年もサッカーをやってきて初めてのことです。
今となっては笑い話ですが、そのときは、感情の爆発を抑えるのがやっとのとこでした。笑
イエロー怖いな~
って感じです。
イエローカードの基準と基礎
イエローカード(警告)は、競技規則で定められています。
競技規則は、日本サッカー協会(JFA)のホームページで確認することができます。
イエローカードは説明するまでもないですが、ファウルに対しての警告を示します。
イエローカード2回(警告を2回)受けるとレッドカードに変わり退場になります。
競技規則を要約すると以下のように定められています。
>第12条 ファウルと不正行為「警告となる反則」
イエローカード(警告)を受ける反則
- 非紳士的行為
- 暴言
- ファウルを繰り返す
- 遅延行為
- FKやスローインでプレー再開時にボールから離れない
- 主審の許可無くグラウンドに入る
- 主審の許可無くグラウンドから出る
日本サッカー協会ホームページ
規約・規程>競技規則>サッカー競技規則
(PDFファイルを誰でもダウンロードできます)
以上の反則を行うとイエローカード(警告)を受けることになります。
そして、2回目のイエローカード提示後、レッドカードが提示され、退場となるわけです。
つまり、そのチームは、一人少ない状況(10対11の数的不利な状況)で試合をすることなってしまうことになります。
では、イエローカードとどのように付き合っていけばよいのでしょうか?
イエローカードを帳消しにする方法
イエローカードの1枚目の提示を帳消し(無かったこと)にする方法があります。
それは、選手交代です。
帳消しと言っても、一度提示されたイエローカードが消えてなくなるわけではありません。
その試合中にチームとしてイエローカードの提示を無くすという意味です。
どういうことかと言うと、ある選手が1枚目のイエローカードを出されたとします。
もし、同じ選手が2枚目のイエローカードを出されれると退場になります。
そうすると、その選手がいるチームは一人少ない状況で試合をしなければいけません。
これは、非常に大きなハンデになります。
そこで、1枚目のイエローカードを出された選手を交代させます。
そうすることで、チームとしてはイエローカードを出された選手がいなくなるわけです。
よって、一人少ない状況で試合するリスク(確率)低くすることができるのです。
まさに、イエローカードを帳消しにする方法、です。
しかし、この方法には副作用があります。
イエローカードを帳消しにする方法の副作用
- 戦力がダウンする
- 選手のモチベーションが低下
- けが人が出たときに選手交代できないときがある
- ゲームプラン(予定していた選手交代)ができなくなる
- 交代枠を無駄に使ってしまう
- 複数の選手がイエローをもらうと対応できない
などです。
次に、この方法をどう使うといいのか見ていきます。
イエローカードを帳消しにする方法について考える
副作用があるこの帳消し方法は、時としていい結果がでることもあれば、悪い結果につながることもあります。
判断ポイントしては、次のようなことが考えられます。
- 勝っているか
- 負けているか
- 得点差はどれくらいか
- 残り時間はどれくらいか
- イエローカードの提示を受けた選手と交代する選手の能力差はどれくらいか
- 選手交代したときのフォーメーション
- 選手交代したときの戦術
- 選手交代しないで一人少ない状況になった場合どう戦うか
などです。
いろんな状況が考えられるので、一概に、この状況で使うのが一番いい、というのはありません。
試合の状況に応じて判断する必要があります。
例えば、この帳消し方法が効果を発揮するのは、
勝っていて、
残り時間が少ない、
状況でしょう。
また、引き分け狙いのときは、同様にこの方法が使いやすくなります。
(守って逃げ切るというイメージ)
一方、負けているときは、この方法は使いにくいかもしれません。
先発させたメンバーは、そのチームのベストな11人だと思います。
選手交代すると戦力が落ちるはずです。(交代出場する選手の能力が高い場合は別です)
ただ、この方法を使わないで、一人少ない状況になった場合のことを考えると、この方法を使うか使わないか判断に迷うところです。
あと、忘れていけないのは、選手のモチベーションの低下です。
試合で勝つこと、負けないことを目的としているのであれば、この方法がしかるべきタイミングで使われるのは当然のことだと思います。
ただ、この方法で交代させられた選手は、非常に納得がいかないでしょう。
とても歯がゆい思いをすることになります。(先日の私がそうでした笑)
ですから、このイエローカード帳消し方法を使う場合は、事前に選手たちに伝えておく必要があるでしょう。
次に、イエローカードの累積について見て行きます。
サッカーのイエローカード累積をどう考える?
イエローカードが提示された場合、それは、記録として残ります。
そして、そのリーグや大会で定められたイエローカードの累積数に達すると、その選手は「出場停止」というペナルティが与えられます。
そのチームの中心となっている選手ほど、この累積で出場停止になることは避けなければいけません。
イエローカード累積の基本
イエローカードの累積についても、日本サッカー協会のホームページで確認することができます。
規約・規程の「懲罰規定」の中で規定されています。
要約すると次のようになります。
- 警告の累積数によって出場停止のペナルティーを受ける
- 累積数は、大会に出場するチームの合計試合数によって決まる
- 試合数9試合以下の場合
→ 累積2枚で、1試合の出場停止 - 試合数10試合以上19試合以下の場合
→ 累積3回で、1試合の出場停止 - 試合数20試合以上の場合
→ 累積4枚で、1試合の出場停止
日本サッカー協会ホームページ
関連規程>懲罰規程
〔別紙2〕懲罰基準の運用に関する細則
第2条〔警告の累積による出場停止試合数〕
細かい規定は、いろいろありますが、ざっとこんな感じです。
Jリーグを含め、日本サッカー協会が主催する試合は全てこの規定が適用されます。
社会人サッカー、大学生、高校生、中学生、小学生も同様です。
大会独自で規定する場合もありますが、基本的にはこの規定に近い形になります。
よって、監督やコーチは、出場する大会の規定は事前に確認しておく必要があるでしょう。
サッカーのイエローカード累積をプラスに考える
大会が進むにつれて、大事な試合が多くなります。
対戦相手が強くなったり、リーグ戦の場合は負けられない試合になるでしょう。
そんな中、イエローカード累積での出場停止は、非常に大きな意味を持ってきます。
では、このイエローカード累積をどのように考えていけばいいのでしょうか。
ここで大事なのは、累積をプラスに考える、ということです。
どういうことかというと、
- チームの新しい構成を試すことができる機会
- 違う選手の可能性を引き出す機会
と考えるのです。
一番いけないのは、戦力ダウンと考えることです。
確かに、出場停止になった選手の能力と代わりに出場する選手の能力の差が大きい場合、戦力ダウンと考えてしまうかもしれません。
ただ、そう考えることで、別の選手にもマイナスのイメージが伝わってしまいます。
例えば、監督、コーチが、
「Aの変わりに、Bが出ると厳しいな」
と心の中で思ったとします。
そういった思いの中で出場選手の構成を決め、選手たちに話をすると、そのイメージがどうしても選手に伝わってしまいます。
代わりに出場する選手にも伝わりますし、他の選手にも伝わります。
そうすするとどうでしょう?
試合前から、すでに「負けるかもしれない」という思いが出てくるのではないでしょうか。
そうなると、試合前から負けているも同然。
戦術、フォーメーションうんぬん言うまえから、負け確定です。
気持ちで負けているので、いいパフォーマンス、結果は絶対出ません。
逆に、監督、コーチが、
「チームの新しい構成、新しいパターンを発見できるかもしれない」
「代わりに出るBがいままで見せたことがないプレーを見せてくれるかもしれない」
「他の選手が今までとは違ったパフォーマンスを出してくれるかもしれない」
と思っているとどうでしょう。
それは、必ず選手たちにプラスのイメージとして伝わります。
「Aが出れなくても、Bががんばってくれる」
「Aが出れないなら、おれが今まで以上にがんばって、活躍する」
といった思いになるはずです。
監督やコーチ、また選手同士の気持ちというのは、知らない間にチーム内に伝わっていくものです。
何気ない、ことばや動作、で伝わっていきます。
そこでプラスのイメージが伝わるか、マイナスのイメージが伝わるかは、監督、コーチ、選手がどう考えているか、どんな思いを持っているかで変わってきます。プラスの考えを持っている選手が多ければ多いほど、マイナスのイメージを打ち壊し、チームをプラスの方向に進めてくれます。
たとえ、試合で負けたとしても、そのプラスの思考は、次の試合へのエネルギーとなって、チームを良い方向に動かしてくれるのは間違いありません。
累積をプラスに考える。
これが、イエローカード累積と上手に付き合う方法です。
サッカーのイエローカードで出場停止は無いのが一番!?
イエローカードと累積について見て来ました。
イエローカードが出されたときどうするか、累積をどう考えるかはいろいろあります。いろいろありますが、1つだけ間違いなく言えることは、
イエローカードをもらわないのが一番、
ということです。
イエローカードは、百害あって一利なしです。チームにとってはマイナスにしかなりません。なので、イエローカードが出されないのであれば、それに越したことはないのです。
では、どうすればイエローカードが出されないようになるのか。0(ゼロ)にすることはできませんが、できるだけイエローカードの回数を少なくすることはできます。
それは、普段から意識付けする、です。
イエローカードを出された場面を振り返ると、結局、不要なプレー、不要な行為であることがよくわかると思います。つまり、選手が意識的にプレーしたファウルや行為でイエローカードが出されることが多いです。不必要なキッキングや暴言、遅延行為などです。これは、普段の練習や練習試合でも同じようなプレーや行為をしているから、大切な試合でも同ことをやってしまいます。そういったプレーや行為が癖になるんですね。
なので、普段からイエローカードをもらわない、イエローカードをもらうようなプレーをしない、といったことを普段から意識することで、大切な試合のときにイエローカードを減らすことができます。
普段の練習や練習試合から、
- 監督、コーチがそのような指導をする。
- 選手も普段から意識してプレーする。
普段からチーム全体で意識して、イエローカード(不要なファウル)をしないよう意識付けしていくことが、イエローカードと上手に付き合う方法だと思います。
サッカーは紳士のスポーツです。
イエローカードが出されるようなプレー無しで勝てるようにしたいですね。
今回もありがとうございました。
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