こんにちは、イノです。
今回は、サッカーの蹴り方(キック)について。
「えっ?これって小学5年生?」
先日、とっても驚くことがありました。友達がコーチをしてる小学生のサッカーチームの練習を見に行ったんです。そこで驚いたのが、みんなキックが上手い!小学5年生とは思えないぐらいしっかりしたボールを蹴っている。
何でみんなキックが上手いのか?
その秘密を、コーチの話と練習法方から探ってみました。
目次
サッカーで蹴り方の基本が自然に身に付く方法は?
ぼくが、子供たちの蹴り方が上手いなと感じたのは、シュート練習の時でした。ここで言ってる蹴り方は「インステップキック」のことです。
そのシュート練習。
少し、ユニークでした。
蹴り方の基本がゲーム感覚で身に付くシュート練習とは?
コーチが子供たちに次の練習メニューを伝えました。
コーチ「次、バー当てな」
子供たちは、いつもやっているんでしょう。慣れた感じで準備していました。
ぼくは、「バー当て?」と思いながらその練習が始まるのを待っていました。そして、ビックり。みんな、威力があるボールを蹴っているんです。
一瞬、「えっ?なんかすごくない!?」、って心の中で思っていました。
すると、コーチがこの練習の説明をしてくれました。
コーチ「“バー当て”と言ってもシュート練習。よくあるバー当てで、ふわ~んとしたボールでバーを狙うんじゃなくて、シュートでバーを狙う。ボールをホップさせてバーに当てるイメージ。」
普通のポストシュートじゃなくて、「バー当て」と称するミドルシュート練習だったんです。ゴールポストの横からボールを転がして、ペナルティーエリアの外からシュートする。
コーチが話を続けてくれた。
コーチ「この”ミドルシュート+バー当て”をさせることで、試合でミドルシュートで点が取れるようになった。相手が強くて困ったときでも、フォワード(前の選手)にパスを出して、落としてシュート、で点が取れるようになった。で、ただ単にミドルシュートの練習じゃなくて、バーを狙わせることで子供たちも楽しんでる」。
なるほど~って感じです。得点のバリエーションを増やす為にミドルシュートの練習をさせている。そして、”バー当て”を取り入れることで、ゲーム感覚の練習になり、子供たちのやる気を引き出している。
なるほどな、と感心しました。
ただ、小学生にしては、距離が少し遠いのかなあ、とも思ったりしました。ミドルシュートなんで、やや遠め(ペナルティエリアとハーフウェイラインの真ん中当たりから)からスタートしてシュートしてるんですけど、小学生には少し遠いかな、という距離です。まあ、転がってくるボールをダイレクトでシュートするんで、まあいいのかと思いながら見てました。しかし、ぼくの心配をよそに、子供たちは、威力のあるボールを次から次に蹴っている。
なるほど!
見ているうちに、この練習が、子供たちのキックを上達させている(強いボールが蹴れるようになる)のがわかりました。
このミドルシュート練習が子供たちの蹴り方を上達させている 理由
本来、小学生だとゴールから近い距離でシュート練習する。でも、あえて少し遠いからシュートする。少し負荷がかかる状態ですね。どうすればゴールまで届くか、どういう風に足をボールに当てればいいのか、どのタイミングで力を入れたらいいのか、を考えさせる。そうする事で蹴り方の基本が自然と身についている。
あとは、バーに当てる意識を持たせることで、コントロールする感覚も身につけることができる。
バーに当てるには、コントロールする(狙う)必要がある。だから、どのタイミングで、足のどこに当てればバーに当てることができるか、感覚的に試行錯誤して体に覚えさせていく。
回数をこなす必要があるんで、ゲーム感覚でやると、子供たちも飽きない。
- ミドルシュート+バー当て
- 子供たちも面白い
- 力の入れ方がわかってくる
- パワーが付く
- インサイドキックも上手くなる
→キックの練習+筋肉トレーニング+面白さ
小学生には、蹴り方の基本を細かく説明するんじゃなくて、感覚的に身に付くような練習、アドバイスすることで、逆に基本が身についてるんだなと。
ちなみに、インステップキックの蹴り方の基本は、こんな感じ。
これ、小学生がこれを全て意識して蹴るのは無理、ですよね。
実は、コーチが子供たちに意識させていたことは、ただ1つでした。それは、
「インパクトのときボールをアウトサイドにかける」
このイメージだけ。
インパクトの時にボールをアウトサイドにかける?どういうことなんでしょう?
ボールをアウトサイドにかけるってどういうこと?
どういうことかというと、足を真っ直ぐ振り抜くんじゃなくて、少し内側に振り抜くイメージで蹴る(右利きの場合、インパクトの後、足をやや左側に振りぬくイメージ)。そうするとボールをミートしやすい。
この蹴り方は、ある高校のサッカー部の監督からの教えてもらったらしい(この高校は、県内でいつも1、2を争っていて、監督は、S級ライセンス取得している)。
数日後、ぼくも練習で試してみたんですけど、納得しました。その感覚をつかむことができたんです。ボールが甲に当たってる時間が気持ち長くなる感じで、低くて強いボールを蹴ることができたんです。
足を少し内側に振り抜こうとすると、体の重心が少し軸足の方に移ります。つまり、軸足に体重がしっかり乗って、フォームが安定する。そのため、ボールに力を加えやすい。だからミートしやすくなる。
なるほどなあ、って感じでした。
あとは、ゴールに届くように、そして、バーに当たるように蹴れ、とコーチが子供たちに伝えているようです。
ボールを蹴る時、「少し内側に振り抜く」ってのは、個人的に初めて聞いた話だったけど、理にかなっていると思いました。
例えば、棒に、ヒモをつけて回すイメージ(ヒモの先っぽには軽い重りがついている)。ヒモの先端は、棒を中心にして円を描くように動きます。これを、キックと置き換えてイメージしてみる。体と軸足を1つの棒と見立てる。
その棒(軸足)に、ヒモ(蹴り足)がついていて、それを回してみる。ボールを蹴る時に例えると、棒が軸足で、ヒモが蹴る足のイメージです。ヒモの先っぽは棒を中心として円を描くように回る。つまり、左(時計と逆)に回すのを後ろから見ると、ヒモの先っぽは外から内側に入っていく動きをします。
ボールをアウトにかけるのも同じですね。足を少し内側に振り抜く(動かす)ということは、体の自然な動きなんです(棒に付いたヒモを回すイメージ)。
足が円を描くように動く事で、体の力をしっかり伝えることができる。つまり強いボールを蹴ることができる。
サッカーで蹴り方を小学生が身に付ける第1歩
もう一つ気付いたのが、「リフティングでボールをコントロールする感覚を養っている」ということです。
これは、あとから気づいたんですが、リィフティングの練習がキックの上手さに一役買ってるな、と思いました。
練習始めのアップが終わった最初のメニューがリィフティング(ミドルシュート練習の前にやってました)。まあ、小学生の練習だとよくある話なんですけど、その時間が長い。
30~40分はリフティングの練習。
インステップ、インサイドはもちろんのこと、アウトサイド、かかと、肩、頭などいろんな箇所でリフティング。上手いですね~、今の小学生。片足のアウトだけでのリフティング。両足アウト交互でのリフティング。余裕でやってる。
コーチと話ながら見ていましたが、「片足でできるようにさせている」、と言っていました。これやることで、ボールコントロールが上手くなると。
これですね、これ。片足リフティング。リフティングが上手い選手が、サッカーが上手いわけではないですが、上手い選手はみんなリフティングは上手い。メッシもC.ロナウドも。どっちが、先か、ってことではなくて、リフティングがサッカーの基本、ってことですね。
両足リフティングもそうですけど、片足リフティングが、ボールをコントロールする、ボールをキックする感覚を養ってるんですね。
サッカーの蹴り方で遠くに飛ばす方法を小学生が身につけるには?
小学生の蹴り方について見てきました。
今回、小学生の練習からいくつかのことを学びました。
その中で、一番大切に感じたのは、「自然に身に付くようにすること」。
例えば、今回見たチームの「バー当て(ミドルシュート練習」のように「ゲーム感覚」を感じる練習をする必要があるなと。「バー当て」というゲーム要素を入れることで、楽しさが生まれる。そして、蹴り方が自然と身に付く。
サッカーの練習をしてるんじゃなくて、「ゲーム、遊びをしているんだ」と感じれるような練習。楽しさ、の中から自然にサッカーの技術が身に付くようにするのが一番いいなと。
細かい、技術、理論をうんぬん、かんぬん教えるのも時にはいいかもしれません。ただ、それだと子供たちは、飽きちゃうし、難しく感じると思うんですよね。
そういえば、高校時代サッカーの練習で「鬼ごっこ」をよくやりました。「鬼ごっこ」って鬼から逃げる為に動いたり、頭を使ったりする。ちょうど、サッカーの試合中に求められる判断、判断のスピードを向上させるためにとっても効果的なんですよね。
こんな感じで、「ゲーム感覚、遊び感覚」を練習に取り入れる工夫をすれば、いままでやっていた味気ない練習が楽しい練習になるのは間違いありません。
今まで、小学生に指導するのはあまり興味が無かったんですけど、今回面白さを少し感じることができました。
これからもっと勉強していこうかなと思うきっかけとなった練習見学でした。
それでは、今回もありがとうございました。
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