今回は、サッカーの「ハンド」について取り上げたいと思います。
サッカーを長くやっていると「ルールなんか全部知ってるよ!」、といった感じになります。でも、ルールを正確に知っている選手は少ないでしょう。それは、審判講習を受けるとまじまじと感じさせられます。
先日、サッカーの審判4級資格を取得する機会がありました。審判講習会の講義の中で、「へー、そうだったんだ」と思うことが何度も。競技規則(ルールブック)を見ると意外と知らないことって多いなって感じたところです。
- 一般的なハンド
目次
サッカーでハンドのルールの基準はどうなってる?
サッカーをやってる人もやってない人も知ってる「ハンド」。ハンドは、サッカーの競技規則に定められているルールの一つです。
言うまでもないですが、「ボールを手、腕で触ったら、ダメ」というルール。サッカーの試合で、1試合に1回有るか無いかぐらいの発生率でしょうか。審判がハンドと判定したら、相手のチームに直接フリーキックが与えられ、試合が再開されます。
選手の立場からすると、審判のハンドの判定には首をかしげたくなることが、よくあると思います。逆に、審判の立場からすると、ハンドの判定は、非常に難しい判断を強いられる、また、見逃してしまうことがよくあります。なぜなら、サッカーの試合は、選手が常に動いていて、ボールも動くからです。
そんな中、審判(人間)が目で見て判断するんですから、全て正しい判断ができるかというと、そういうワケにはいきません。そんな審判の難しさを示す試合が、1986年のワールドカップ「アルゼンチン対イングランド」の試合です。
「マラドーナの神の手」は超有名。
マラドーナがボールを手に当てて決めたゴール。審判の位置からは、ボールを手で触ったことが見えてなくゴールの判定。今でも語り継がれるている「ハンド(手で決めた)」ゴールです(Yutubeで「マラドーナ」「神の手」で見られます)。
動画を見ても、ん?、さわってる?、さわってない?、やっぱさわってるか、といった感じですから、試合中に判断できなかったのは仕方なかったように思います。
では、審判はどんな基準でハンドの判定をしているのでしょうか?
続いて、ハンドの判断ポイント、基準について見ていきます。
サッカーのハンドのルールを理解する3つ判断ポイント
サッカーの試合中、選手が審判の判定に対して異議を唱える場面は、よく見られます。しかし、そんな場面も審判のほうが正しいことがほとんどですし、そうでなければいけません。審判は、競技規則(ルールブック)に基づいて判断、判定を行っています。もちろん、ハンドについても書かれています。つまり、競技規則に書いてあることがサッカーのルールの基準、ハンドの基準、となります。
競技規則を要約すると、ハンドを判断するポイントは、以下のように定められています。
- ボールを意図的に触ったか
- ボールが当たった手の位置
- ボールが当たった時の距離
①ボールを意図的に触ったか
ボールを意図的に、手、腕で触ったかどうかが、ハンドの基本的な判断。
②ボールが当たった手の位置
意図的ボールを触っていなくてもハンドになるケースがあります。それは、手、腕がどの位置にあったかということです。簡単に言うと、手、腕が体から離れていると、ハンドになることが多いです。ボールを手で止めた、ボールの方向を手で変えた、といった判断です。
逆に、手、腕が体から離れていない、体に付いた状態であれば、ボールが当たって もハンドになることはほとんどありません。
③ボールが当たった時の距離
相手が至近距離から蹴ったボールが、手、腕に当たった場合は、ハンドにならない ケースがあります。 つまり、予測できないボール=意図的ではない、という判断です。
サッカーはハンドしても笛が鳴るまでプレーする!ルールは審判が判断
サッカーのハンドについて見てきました。
①ボールを意図的に触ったか
②ボールが当たった手の位置
③ボールが当たった時の距離
この3つのポイントが、ハンド判定の判断基準になります。
基本的に、試合中、意図的にボールに触る選手はいません。たまに、キーパーが止められないシュートをフィールドプレーヤーが手で止める、といった場面は見られます。これは、①の判断になり、ハンドとなります(もちろん、このとき、明らかなゴールの阻止ということで、レッドカード、1発退場です)。
また、試合中、最も多く見られるハンドの判定は、②になるでしょう。意図的ではなくても、手にボールが当たることはよくあることです。手にボールが当たると、ボールの動きが変わるので、ハンドの判定になります。
このように、試合中①~③の基準で、ハンドかどうか判断されます。さらに言うと、最終的に、審判個々の基準も加わわり、ハンドの判定が下されます。つまり、同じようにボールが手に当たった場面でも、審判(人)によって、ハンドの判定になる場合もあれば、なら無い場合もあると言うことです。
選手が、100%ミス無しでプレーすることができないように、審判も100%ミス無く判断することはできません。だから、選手は、自分の判断でプレーを止めてはいけいけない。「笛が鳴るまでプレーする」と言われるのはこのためです。
試合を真剣にやっている選手にとって、納得がいかない判定もあるかもしれません。ただ、真剣にやっているのは審判も同じです。審判がいることで、試合が成り立ち、サッカーがサッカーとして成立します。
プロ、アマ、ジュニア問わず、どのカテゴリーにおいても、
「選手と審判がお互いに敬意を示しつつプレーする」
これが、サッカーの中で一番大切な競技規則なのかもしれません。
今回もありがとうございました。
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