そういえば、この前、FIFAクラブワールドカップを見に行ってきた。そしたら、知り合いの風上さんがこんなこと言ってた。
「メッシは体幹がすごいな」
風上さん(仮称)は、あるJリーグチームの関係者。S級持ってて、今はある高校のコーチをやっている。
風上さんがメッシの体幹についてつぶやいたのは、メッシが激しいチャージを受けても倒れなかった場面。
「ん?、メッシ??、体幹???」
「この人何言ってんだろ?」
って思ったんですけど、
「なるほど!」
って、その意味がすぐわかりました。
目次
サッカー体幹トレーニングでメッシが鍛える理由は?
今まで、「メッシは体幹強い」って聞いたことなかったんで、すごい新鮮な感覚。
その時思ったのが、
「メッシって体幹強い?」
「へー、そうなんだ」
「メッシ体幹すげーんだ」
「そういえば、メッシって倒れそうで倒れない場面って多い気がする」
「倒されそうになっても、踏ん張って、ドリブルする場面」
「なるほど!」
「メッシが体幹強いの間違いないな」
「ん、倒れない」
「体が小さいのに、倒されることあんまねーし」
メッシって、すごい見せるプレーをするイメージけど、よくよく過去のプレーを思い返してみると、倒れてる、倒されてる、っていう場面ってほとんどない。もちろん、ファールやファール気味のチャージを受けた時は別。
普通の激しいプレーの中で、倒れるイメージってほとんどない。
「なるほど、なるほど、なるほど」
メッシが体幹を鍛える理由って何?
メッシと話したわけじゃないけど、メッシが体幹を鍛える理由って2つあるはず。
- 当たり負けしない
- ドリブルでバランスを崩さない
この2つ、メッシに聞いてないけどわかったこと。
まず、当たり負けしない、ってのは、体幹鍛えることで、軸がしっかりする。
だから、倒されにくくなる。
円柱をイメージすると分りやすいかも。細い円柱(細い体幹)と太い円柱(太い体幹)、どっちが倒れにくいか。あくまで、イメージなんですけど。
次に、ドリブル。
ドリブルする時にバランスが崩れにくくなる。体幹、つまり、土台がしっかりすることになるんで、ドリブルしてて、切り替えしたり、方向変えたりしてもバランス崩れにくくなる。たとえバランスを崩しそうになっても、踏ん張りが利くので倒れない。
メッシの上手さって、こんなとこからも来てるんだわ。たぶん。
サッカー体幹トレーニングを毎日やるために大切なことは?
ついでに、風上さんに体幹トレーニングやる時に大切な事を聞いてみた。
体幹トレーニングの重要性は、数年前から日本でも言われてきてるかな。長友選手が幹トレーニングの本を出して、一般的にも知られるようになった感じ。
「まあ、やり方とかは、こういう本とかインターネット見たらええと思うわ。で、おれがやってきたり、教える時に大切って思うことは、5つある。」
- 効果が出ると信じる
- 軽めの負荷から始める
- 習慣化する
- 正しいやり方と正しい姿勢
- 工夫する
1.体幹トレーニングは効果が出ると信じる
まずな、体幹トレーニングで大切なのは、信じること。
これ、大事。
体幹トレーニングの効果を知らない、感じたことがない人が、体幹トレーニングを始めると、どうなるか?どうしてもモチベーションというか、続かないことが多い。なんでかゆーと、体幹トレーニングをやるとどうなるか、どうなれるか、ってのを知らないから。
未来をイメージできない。体幹トレーニングやって、自分がどれだけいいプレーができるかがイメージできない。
だから、挫折する。やらなくなる。
体幹トレーニングは、非常に重要なトレーニングで、サッカーだけじゃなく、今ではスポーツ界の常識。なので、効果は抜群にある。さらに、メンタル的な話になるけど、体幹やったらいいプレーできる、って思ったほうが効果ある。「これやったら、いいプレーできる」「メッシみたいになれる」って未来の自分をイメージしながら。
で、普通の筋トレと同じで、体幹トレーニングの効果が出てくるのも3ヶ月後ぐらい。すぐ効果は出てこんし、見た目でもわかりづらいんで、最初は、効果あるって信じてやるしかないんよな。実際に効果あるし。まずは、体幹やったらうまくなれる、頑丈になれる、当たり負けしなくなる、メッシみたいになれる、って信じる。
2.まずやってみる!はじめの体幹トレーニングは軽い負荷から
次は、始める。
まずは、やってみる。
見よう見真似でいいからやる。形とか、やり方とかはあまり気にしなくていいんで、とにかくやるところから。負荷が、軽いやつ、簡単なやつからはじめる。
最初から、負荷が高いやつや難しいやつをやってしまうと、長続きしない。なので、最初は本当に軽いやつ、簡単なやつから始める。ちょっと物足りないな、と思うくらいの負荷、種目がいい。
3.習慣化する!は体幹トレーニングの効果を最大限発揮する
そして、習慣化する。
ようは、いかに継続してできるか。
これ、一番大事。
結局、続けないと意味がない。
1日、2日やっただけじゃ。
どれだけ、継続できるか。
どれだけ、いい本を買っても、どんなにいい人から教えてもらっても、続けないと意味がない。
じゃあ、どうすれば、継続しやすくなるか。
それは、習慣化すればいいだけ。習慣化ってのは、ごはんを食べる、トイレに行く、学校に行く、テレビを見る、寝る、頭を洗う、みたいなこと。「やってやろー」って感じでやってるわけじゃなく、自然にやってること。
この中に、体幹も組み込む。
ごはんを食べる、トイレに行く、学校に行く、テレビを見る、体幹する、頭を洗う。体幹するのが当たり前状況をつくっとけば、あとは習慣に任せるだけ。
習慣化するために、まずは軽めの負荷、種目からやる。まずは、毎日できるくらい。極端な話、1回とか、1分とかでOK。物足りない、と思うくらいがいいかな。
で、あとはいつやるか決めればいい。二日に1回やるとか、1週間に3回やるとか、練習の後に必ずやるとかでOK。まあ、練習後に自主練の時間あるなら、練習の直後にやるのがいいかな。これで、習慣化、継続できなかったら、体幹とか無理なんでやめたほうがいい。
まずは、習慣化して、毎日でも、3日かに一度でもやる。体幹やんないと、気持ち悪くなるくらい決めてやる。2週間ぐらいかな。2週間ぐらい継続できれば、負荷を上げていけばいいだけなんで。
4.体幹トレーニングの正しいやり方、姿勢は常に意識する
注意しないといけないのは、正しいやり方と正しい姿勢。これしっかりしないと、意味ないんで。
やり始めは、少し目をつむるとして、正しいやり方、正しい姿勢でやることはとても重要。正しいやり方、正しい姿勢でやることで、効果的に体幹をつけることができる。逆に言うと正しいやり方、正しい姿勢じゃないとあんまやっても意味ない。
なので、これが正しい、と確信できるまでは、自分がどんな姿勢でやってるかは常に意識しておくことが大切。
できれば、動画に取ったり、誰かに見てもらったりするのがいい。自分では正しいやり方、正しい姿勢でやってるつもりでも、実はちょっと違う、ってこと結構あるから。正しいやり方、フォームは常に意識する。
5.工夫して体幹トレーニングを楽しむ
習慣化、正しいやり方、正しい姿勢でできるようになったら、ちょっと工夫してみる。自分なりのやり方を見つけるってイメージ。
- 負荷を上げる
- 回数を変える
- 時間を延ばす
- ゴムを使う
- 角度を変える
などなど。教わったとおりにやる。これも非常に大事なんだけど、それだけだと飽きちゃうんで。だから、自分なりにいろいろやってみて、こうすればいい、これは違う、ってわかってくることがある。そうすれば、楽しいし、自分に合ったやり方が見つかる。
また、チームメイトにも、こうやったらいいよとか、アドバイスできるようになる。すると、信頼にもつながるし、チーム力アップにもつながる。
いま、体幹トレーニングで話してるけど、サッカーの練習も同じことかな。工夫する。ただ、最後にもう一度言うと、正しいやり方、正しい姿勢、習慣化がでできるようになってからかな、工夫して楽しむのは。
サッカー体幹トレーニングで中学生が試合で役立つ5つの場面は?
風上さん、最後に聞きたいんですけど、体幹トレーニングやったらどんな時に役立つんですかね?試合中とかで。
「基本的に、体幹トレーニングやったら、サッカー全部に役立つで。まあ、しいて言うなら5つぐらいかなあ。」
- ドリブル
- パス
- シュート
- ヘディング
- 競り合い
ドリブル
「体幹が強いと動きが安定(左右にぶれない)ので、ドリブルの時の動きも安定する。動きが安定するんで、ボールコントロールも安定する。ターンしたり、切り替えしたりしても、バランスを崩すことも少なくなる。たとえ、バランスを崩したとしても踏ん張りが利くんで、ボールを失う回数も少なくなる。」
シュート
「体幹が強くなると今までより、強い球が蹴れるようになる。ボールインパクトの瞬間に力を入れやすくなるんで、自然とボールに力が伝わるんよな。踏み込んだ時に片足で立つわけだけど、体幹強いと片足でもしっかり立てる(安定する)んで。だから、狙ったところにシュートが打ちやすくなる。無理な体勢からのシュートも打てるようになるんで、シュートを打つ回数も増える。」
「つまり、ゴールの数が増える。」
パス
「体幹が強いと踏み込んだ軸足がぶれない(安定する)んで、パスの精度が上がる。シュートと同じで、インパクトの瞬間にボールに力を伝えやすくなるんで、強いパスも蹴ることができる。」
ヘディング
「体幹はヘディングにも効果抜群。ヘディングは体全体を使って、ボールを飛ばす。なので、シュート、パスと同じくヘディングしたボールが強くなるし、遠くに飛ばせる(クリアできる)ようになるかな。」
競り合い
「体幹が強いと当たり負けしなくなる。当たられても、自然と体の軸から力を入れられるし、踏ん張れるんで。逆に、当たられても逆に相手を跳ね返すぐらいになる。空中戦でも効果を発揮できる。空中での競り合いでも競り負けないようになる。」
「どう?わかった?」
なるほどですね~。ちょっと、やってみますわ。
サッカー体幹トレーニング方法の効果を長友選手から学ぶ!?
長友選手がまだFC東京にいた頃に見たことがあります。
FC東京に入ったばかりの頃の長友選手。
対戦相手は東京ヴェルディ。
そのころ、ヴェルディには、フッキ(現ブラジル代、ロシアプレミアリーグFCゼニト)がいてブイブイ言わせてた時期。いまもそうだけど、フッキはスピードがあって強靭な体を持つ選手。半端ない強力なシュートをぶっ放す。当時、Jリーグの選手では誰も止められない、と言った感じ。
そんな怪物のようなフッキと長友選手がマッチアップ。
長友選手が170cm 68kg
フッキが178cm 85kg
結果はというと、完全に止めてましたね、長友選手はフッキを。1対1の場面で抜かれなかったし、体を当ててボールを奪う場面もあった。やるな~、って感じ。フッキはかなりイラついてましたからね。
簡単に言うと、長友選手のほうが、1対1が強かった。
強靭な体だった、ということですかね。
で、それからの長友選手の活躍は言うまでもないっすね。日本代表となりワールドカップ出場。インテルへ移籍してレギュラーを取って試合に出る。まさに、体幹トレーニングで世界へ駆け上がった、と言っても言い過ぎじゃないと思います。
体幹トレーニング半端ない。
体幹トレーニング、長友の本見てもうちょい気合入れてやってみます。
それでは、今回もありがとうございました。