「トップ下の動き方、もっちょっと工夫したほうがいいな」
練習試合の後、N先生がワタルに話かけていた。
念願のトップ下のポジションをやらせてもらったワタル。
「自信はあったけど、いざやってみると・・・」
ワタルは中学校の時、サイドバックをやっていた。でも、本当にやりたいのは、トップ下のポジション。高校のサッカー部に入って、希望のポジションをトップ下と伝えていた。
目指しているのは、日本代表の本田選手や香川選手。ドリブルができて、点が取れる選手。練習試合で念願のトップ下をやったけど、頭が真っ白になってしまった。
「どう動いたらいいかわからない・・・」
次のミーティングで、N先生が各ポジションの動き方や役割を説明してくれることになった。
目次
サッカーポジションの動き方や役割ではじめに知っておく考え方
毎週月曜日。
S高校サッカー部の練習は、ミーティングから始まる。
今日のテーマは、各ポジションの動き方や役割。
前回の練習試合で、思うようなプレーができなかったワタルは、この日を待ち望んでいた。
数分後、N先生が教室に入ってきた。
サッカーポジションの動き方や役割ではじめに知っておくこと
はい、ミーティング始めます。
今日話す内容は、非常に重要な話なんでよーく聞いといて。
テーマは、各ポジションの動き方や役割。
2年生、3年生には何度か話した内容になるけど、
まだ理解できてない人もいるし、
1年生やこれから新しいポジションをやる人は、特によく聞いて。
大切な考え方
ポジションの話の前に、サッカーで大切な考え方について話すな。
まず、知っておいて欲しいのが、サッカーは自由、ってこと。
決まりがない。
もちろんルールはあるよ。
ルールはあるけど、動き方や役割に決りはなくて、自由に動けばいい。
役割も別に決りはない。
極端な話、全員FW(フォワード)でもいいし、全員DF(ディフェンダー)でもいい。
ただ、全員が全員、自由にやっちゃうとサッカー(試合)にならない。だから、フォーメーションを決めたり、ポジションを決めたりする。で、このフォーメーションやポジションってのは、絶対こうやんないといけない、っていうのはないんだよね。
最初に言ったように、決ってない、自由に、ってこと。だから、フォーメーションやポジションの役割なんかは、チームによっても違うし、監督によっても違う。日によって変えてもいいし、変えなくてもいい。
高校卒業した後は、大学や社会人でサッカーやると思うけど、そのチームや監督の考え方がある、っていうことは覚えといて。だから、うち(S高校サッカー部)のサッカーとは違うころもあるかもしれない。それは、それで当たり前のことなんで、頭の隅っこのほうで覚えといて。
サッカーの動き方や役割の考え方
- チームで違う
- 監督で違う
- 戦術で違う
- 自分で考える
- 天気によっても違う
あと、この動画、時間あるときに見といて。
いま、FC東京の監督「城福浩」さんの話。
先生の考え方と近いんで。
サッカーポジションの役割を知る!共通と個別を理解する
まず役割のところから話そうかな。
各ポジションでそれぞれ役割があるんだけど、
全てのポジションに共通した役割があります。
1年生でわかる人?(手を上げて)
・・・・・
各ポジションで共通した役割
はい、OK!
共通した役割というのは、
- 攻撃
- 守備
全てのポジションで「攻撃をする」「守備をする」は、共通した役割。
だから、全てのポジションの選手が、攻撃もするし、守備をする。
もちろん、攻撃と守備をやるバランス(割合)は違うけど。
大昔のサッカーだと、攻撃する人、守備する人で分かれてたイメージがあった。
でも、いまでは、全員が攻撃して、全員が守備する。
つまり、
マイボール(自分達のチームがボールを持ってる)時は、攻撃。
逆に、
相手のチームの選手がボールを持ってる時は、守備。
なので、攻撃の時は、全ての選手が、どうやったら点が取れるか考える。
それが、シュートなのか、パスなのか、走りなのかは、状況や各ポジションの役割で変わってくるイメージ。
キーパーだって攻撃の意識を持っておく。
浦和レッズで日本代表のキーパー西川選手の足元の技術はすごいよね。
キーパーなのにトラップとかかなり上手いよ。
ディフェンスラインでのボール回しにも違和感なく参加してる感じ。
キーパーキックからチャンスを作ることもあるし。
で、話を戻すと、守備の時は、フォワードも中盤もディフェンスも、どうやったら相手からボールを奪えるか考えて動く。
それが、直接ボールを取りに行くのか、パスカットを狙うのかは、その時の状況で変わる。
たまに、「フォワチェック」って聞くと思うけど、前(フォワード)からディフェンスしに行く戦術。
フォワードの選手だから、守備をしなくていいわけじゃないからな。
よく言われる、全員攻撃、全員守備だな。
- 味方がボールを持ってたら、攻撃
- 相手がボールを持ってたら、守備
このイメージは常に持っておいて。
各ポジションの役割
じゃあ、各ポジションの役割を説明していくな。
あ、
今から、各ポジションの説明していくけど、自分がやるポジションだけじゃなく、
全てのポジションの役割を覚えるようにして欲しいな。
もちろん、自分がやりそうなポジションの役割を覚えるのがまず第一。
次に、他のポジションの役割も覚える。
なぜかというと、声が出せるようになるため(コーチングができるようになるため)。
声(コーチング)もサッカーで大切な技術の一つ。
別のポジションの役割も知っておかないと、コーチングできないからな。
最初に言っとくけど、声出せない(コーチングできない)選手は、レギュラーになるの難しいんで覚えておいて。
フォーワード(FW)の役割
フォワードの役割は非常にシンプル。
点を取ること(ゴールすること)。
これが、フォワードの役割。
常に点を取ることを考える。
見方からのパスを受けた時、こぼれ球を拾った時、相手からボールを奪った時。
どんな状況でも常にゴール、シュートを意識しておく。
そして、前(前線)でボールをキープすること。
前でボールをキープすることで、MFやDFの選手が上がってきやすくなるんで。
フォワードの主な役割
- 攻撃9割、守備1割
- 得点を取る
中盤(ミッドフィルダー)(MF)の役割
中盤(ミッドフィルダー)の役割も、点を取ることかな。
ただ、フォワードより守備の意識を持つ必要があるんで、
攻撃と守備を両方するイメージ。
中盤の中のポジションによっても変わってくる。
トップ下(オフェンシブハーフ)(OH)の役割
トップ下(オフェンシブハーフ)は、名前の通りトップ(フォワード)の下の位置にポジションを取って、プレーする。
1.5列目とか、シャドーとか言われることもある。トップ下2枚だと、2シャドー(ツーシャドー)とかとか。
攻撃7割、守備3割のイメージ。
トップ下は、どんどん(ゴールを)狙って欲しいな。
あとは、ゲームメイク(ゲームを作る)のもやって欲しい。
ゲームメイク(ゲームを作る)というのは、ボールを受けて、別のポジションの選手にボールを配給する(パス)すること。スルーパス(相手DFラインの後ろにパス)を出したり、つなぎのパスを出したりする。
よく「攻撃のタクト(ドイツ語で指揮棒)を振る」、と表現されることがあるけど、
これは、パスやドリブルで攻撃の中心になると言った意味。
なので、トップ下は、テクニックがあってボールコントロールが上手い選手がやることが多いかな。
トップ下の主な役割
- 攻撃7割、守備3割
- 得点を取る
- ゲームメイクする(スルーパスやつなぎのパス)
サイドハーフ(SH)の役割
右サイドハーフと左サイドハーフがある。
サイドハーフもオフェンシブハーフの1つ。
右も左もどちらも役割的には同じ。
右と左がちがうだけ。
中盤のサイドにポジションを取る。
攻撃6割り、守備4割のイメージ。
役割的には、サイドでトップ下と同じような役割を求められる。
自分で得点を取ること、ゲームメイクすること。
ゲームメイクの面では、サイドにポジションを取っている分、クロス(センタリング)を上げる機会が増えてくる。
だから、サイドハーフはクロスの精度も求められる。
その他、守備の時にサイドバックのカバーリングも必要。
サイドバックがオーバーラップしてすぐ戻れないときは、サイドバックのポジションに入って守備のバランスを取ったりする。
サイドハーフの主な役割
- 攻撃6割、守備4割
- 得点を取る
- ゲームメイクする(スルーパスやつなぎのパス)
ボランチ(ディフェンシブハーフ)(DH)の役割
ボランチについては、この前何人かの人には、見といて欲しいサイト(サッカーのポジションでボランチの役割と動き方知ってる?)を紹介したけど。
ボランチは、ディフェンシブハーフとか、守備的ミッドフィールダーとか呼ばれる。
ちょうどフォーメーションの中央の位置、中盤の底にポジションを取る。
攻撃5割、守備5割のイメージかな。
攻撃の時は、ディフェンスラインからボールを受けて前線にボールを供給(パス)したり、
サイドでボールを受けたときは、局面を変えるためサイドを変えるパスを出す(サイドチェンジ)。
さらに、ボランチの位置からスルーパスを出したり、オーバーラップしてシュートを打つこともやって欲しいかな。
守備では、相手が攻撃を始めようとするところで、相手からボールを奪うようなイメージを持っておいて。
よく、攻撃の目を摘む、とか言ったりする。
相手が攻撃をしようとしてきた時に、早い段階でボールを奪いに行く。
そうすると、早い段階でリスクを防ぐことができるから。
時には体を張った泥臭いプレーも必要なんで意識しといて。
ディフェンスのカバーリングに入ったりもする。
ボランチにも2つのタイプがある。
- 攻撃的なボランチ
- 守備的なボランチ
攻撃的なボランチは、どちらかと言うとボールコントロールが得意。
つなぎのパスやサイドチェンジ、スルーパスやシュートが得意なタイプ。
守備的なボランチは、守備のほうが得意で体を張ったプレーや泥臭いプレーが得意なタイプ。
フォーメーションがダブルボランチの時は、1人が攻撃的なボランチ、もう1人が守備的なボランチが配置されることが多い。
1ボランチの時は、相手によってどちらのタイプを置くか変わるかな。
相手の攻撃が強力なときや、勝ってて逃げ切りたいときなんかは、守備的なボランチ。
普通に点を取りに取りに行きたいときは、攻撃的なボランチを配置する。
どちらの能力も持っていることが理想的だけどね。
ボランチの主な役割
- 攻撃5割、守備5割
- サイドチェンジ
- つなぎ
- カバーリング
- 攻撃の目を摘む
ディフェンス(ディフェンダー)(DF)の役割
ディフェンスの主な役割は、守備、守ること。
相手の攻撃をまず防ぐことを考える。
攻撃では、ディフェンスラインでボールを回して、攻撃の糸口を伺う。
ビルドアップ(攻めの組み立て、パスをつないで攻めること)の始まりがディフェンスラインなんで、攻撃でも重要な役割を持つとも言えるかな。
サイドバック(SB)の役割
右サイドバック、左サイドバックがある。
どちらも役割は同じ。
守備7割、攻撃3割のイメージ。
最近、サイドバックはよく攻撃参加を求められるけど、基本的な役割は守備がメイン。
守備ができてなんぼ。
最近、長友選手がテレビで言ってたんだけど、監督が変わってレギュラーで出れなくなった時に、いろいろ試行錯誤したらしい。攻撃的なプレーを練習したりとか。でも、最終的に監督が求めていることは、「守備」だという事に気付き、守備面を見直したらしい。すると、再びレギュラーで出られるようになった、と。
つまり、サイドバックは、まず守備を第一優先で考える必要があるってことだね。
で、話を続けると、相手のサイドハーフやサイドバックとマッチアップ(競り合う)することが多いかな。
相手のサイドからの攻撃を防ぐ。
そして、攻撃も求めら得る。
攻撃は、サイドに空いたスペース(場所)でボールを受けて、クロス(センタリング)を上げる。
スペースに出るボールに反応したり、相手のカウンターに対応したりするんで、スピード(足の速さ)も求められるポジション。
サイドバックの主な役割
- 攻撃7割、守備3割
- サイドからの攻撃を防ぐ
- センターバックのカバーリング
- サイドのスペースでボールを受ける
- 精度の高いクロス
センターバック(CB)の役割
センターバックは、守備8割、攻撃2割のイメージ。
基本的に、守備の時は、相手のフォワードやトップ下の選手をマークする。
やっぱ、1対1(対人プレー)の強さが求められる。
強いだけじゃなく、それなりのボールコントロールも求められる。
基本的に最近のサッカーは、ディフェンスラインでボールを回して、ビルドアップして行く(パスをつないで攻めていく)。
そのボール回しのイニシアチブ(主導権)を握ってるのがセンターバックとも言える。
前にボールをフィードするのか、右にボールを運ぶのか、左にボールを運ぶのか、キーパーに下げるのか。
センターバックが主導権を握ってボール回しをする。
話が少し飛ぶけど、いまサウサンプトン(プレミアリーグ)で、日本代表の吉田麻耶選手がまだ名古屋グランパスにいるときに、試合を見に行ったことがある。
ボールコントロールが素晴らしかった。
特にパス。
中盤に当てるパスやサイドチェンジ、フォワードに当てるパスのタイミングと質が絶妙。
後から知ったけど、高校の時はボランチやってたらしい。
ボランチで球さばけるぐらいの選手がセンターバックやるのは非常に効果的。
ディフェンスラインでボールを正確に回せるか、回せないかでチームの戦術も大きく変わってくる。
一昔前は、当たり、ヘディングが強けりゃいい的な感じあったけど、それは昔の話。
今、強いチームのセンターバックはみんな足元あるからな。
つまり、センターバックもしっかりとした足元の技術を持つように意識して。
センターバックの主な役割
- 攻撃8割、守備2割
- 相手の中央の攻撃を防ぐ
- ボール回し(ビルドアップ)
ゴールキーパー(GK)の役割
ゴールキーパーは、守備9割、攻撃1割のイメージ。
キーパーは、最後の砦(とりで)。
キーパーがしっかりしてるか、してないかで、チーム力がガクンと変わる。
ボールを止めることが役割なんだけど、もう一つ重要な役割がある。
それは、コーチング。
つまり、声を出して指示すること。
キーパーは、フォーメーションの一番後ろにポジション。
だから、チーム全体の動きが見える。
特に、マークに付かせる声。
相手の何番に誰がマークするか。
ボールが無いサイドの選手へのポジション修正の声も非常に重要。
下がってくるのか、中に絞るのか、前に出るのか。
声出すためには、全てのポジションのことをわかっておく必要がある。
あとは、ディフェンスのカバーリングもキーパーの役割。
ディフェンスを越えて流れてきたボールに対してキーパーが対応する。
ディフェンスラインのボール回しに参加したりもする。
サッカーポジションの動き方!知る見る試すが成長の秘訣!
じゃあ、次は、動き方を簡単に説明して行くな。
実際の細かい動き方は、またグラウンドでやるけど、
今日は、ざっくりしたイメージをつかんどいて。
フォワード(FW)の動き方
フォーワードの動きは大きく分けて2つある。
- 裏に抜ける動き
- クサビ(楔)を受ける動き
裏に抜ける動き
「裏に抜ける動き」ってのは、相手のディフェンスライの裏に走りこむ、ってこと。
相手のディフェンスラインの裏でボールを受けて、シュート、センタリングを狙う。
状況にもよるけど、常に、裏に抜ける意識を持っておいて欲しいな、フォワードは。
相手が一番嫌がるんで。
そして、シュート。
どんな状況でも、どんな体制でも、常にゴールを狙うのがフォワード。
まあ、他のポジションでもゴールは常に狙ってほしいんだけどな。
フォワードは特に、裏に抜ける動き、シュートを常に狙って。
役割のところで見た、動画は繰り返し見て、イメージを作ってほしい。
クサビ(楔)を受ける動き
次は、クサビ(楔)でボール(パス)を受ける動き。
クサビ(楔)、はわかってると思うけど、フォワードが受けるパスのことな。
元々クサビ(楔)は、木を割るときに使う金属のことで、木に打ち込んで使う道具のこと。
本当のクサビ(楔)は、木を割るんだけど、
サッカーだと相手の守備陣を割る、相手の守備陣に打ち込む、崩す、と言ったイメージで使われてる。
簡単に言うとフォワードへの縦パスのことなんだけど。
よく使われる言葉で、うちのチームでも使う言葉なんで覚えといて。
クサビ(楔)=フォワードへの縦パス
このクサビ(楔)でパスを受ける動き、非常に重要。
ようは、フォワードが前線でボールを受けて、キープ、パスするってことなんだけど、
これができるかできないかで、チームの負担が全然変わってくる。
フォワードが前線でボールをキープする事で、周りの選手がオーバーラップできる。
つまり、チャンスが作れるってこと。
逆に、これできないと、パスをつないで攻められないことになる。
だから、とっても重要。
ミッドフィルダー(MF)の動き方
次は、中盤(ミッドフィルダー)な。
中盤は、トップ下(オフェンシブハーフ)、サイドハーフ、ボランチ(ディフェンシブハーフ)でだいたい構成される。
フォーメーションによっても、動き方が若干変わってくるけど、まあ基本は同じなんで、イメージだけ持っといて。
トップ下(オフェンシブハーフ)の動き方
トップ下は、タイプによっても違うけど、まずボールを受けて欲しいかな。
タイプは2つに分かれる。
抜ける動き(相手のディフェンスラインの裏に飛び出す動き)が得意な選手
フォワードの下でボールを受けるのが得意な選手に分かれる。
- 攻撃
- 守備
まあ、うちのチームとしては、まずボールを受けることを考えて欲しいな。
そこから、シュート、スルーパスを狙っていく。
ただ、ずっと真ん中にいるだけだと、相手にも狙われやすいんで、スペース(空いてるところ)を見つけながらボールを受けて欲しい。
そして、裏に抜ける動きも重要。
トップ、フォワードを追い越していく動き。
これやると、相手のディフェンスは嫌がるんで。
トップ下の位置でボールを受けられない状況とか、前に抜けたほうがチャンスになると思ったらどんどん裏に抜ける動きもして欲しいかな。
話が少し反れるけど、トップ下が裏に抜けたら、戻ってくるまで、フォワードがトップ下のポジションに入っといて。
トップ下の主な動き
- ボールを受ける動き
- 裏に抜ける動き
サイドハーフの動き方
(右、左)サイドハーフの動きは、基本的には、トップ下と同じイメージ。
スタート(動き出し)の位置が違う(サイドでディフェンスライン寄り)だけ。
ボールを受けたら、シュート、スルーパスを常に考えて動いて欲しい。
スタート(動き出し)の位置がサイド、っていうだけで、グラウンドの中央付近まではプレーゾーン(動く範囲)。
だから、サイドにべったり張り付いたポジションを取るんじゃなくて、スペース(空いてる場所)を見つけながら、ボールを受ける。
相手のディフェンスの裏でボールを受けることも考える。
サイドにポジションを取ってるんで、クロス(センタリング)を上げることも多くなる。
クロスの練習はしっかりしといてな。
ディフェンダー(DF)の動き方
サイドバック(SB)の動き方
サイドバックの動きは、上下に動くイメージかな。
攻撃参加も重要なんだけど、守備がメインなんでしっかりやって。
守備の時は、相手のサイドハーフやサイドバックをマークするのが基本。
ライン(オフサイドライン)は、センターバックに合わせるようにして。
センターバックのカバーリングも必要。
常に、自分のマークを見ること、センターバックのカバーリングに行くことを考えてプレーする事が大事。
攻撃の時は、できるだけシンプルなプレーを心がける。
サイドバックでボールを失う(相手に奪われると)、カウンターを受けることになるんで。
サイドハーフのサポート(ボールを受ける準備)をすることが多くなると思うけど、
前のスペース(空いたところ)を使って、全てのポジションの選手から、パスを受けられる準備をしといて。
あと、できるだけ高い位置(相手の陣地寄り)でプレー(ボールを受ける、キープ)することが非常に有効的。
つまり、相手の選手が守備をする回数が増えるから、逆に、上がってくる(攻撃参加してくる)回数が少なくなるんで。
ドリブルで仕掛けられるときは、どんどん仕掛けて。
相手が非常に嫌がるんで。
行けるときは、どんどん行っちゃって。
最後までやりきること(シュートかセンタリングをすること)が、相手の攻撃を遅らせることにもなるんで意識しよう。
言うまでもないけど、クロス(センタリング)の精度も求めるんで、しっかり練習はしておいて。
守備と攻撃のバランス、駆け引き、が非常に重要になるポジションっていうことをしっかり意識してプレーするように。
センターバック(CB)の動き方
センターバックは、相手のフォワードをマークするのが基本。
どっちかというと、相手のフォワードというより、相手の一番前でプレーする選手をマーク、と言ったほうがいいかもしれない。
相手のフォワードだったり、トップ下だったり、サイドハーフの選手だったり。
相手の前線の選手にプレーさせないことが、センターバックの役割だったりする。
インターセプト(パスカット)は常に狙って、1対1のディフェンスでは、絶対負けないこと。
あと、センターバックがヘディングが強いと非常に心強い。
ヘディングの練習はしっかりやっといてほしいかな。
あとは、カバーリングかな。
サイドバックのカバーリング、ボランチのカバーリング。
センターバック2枚だと、片方のセンターバックのカバーリング。
自分のマークを見つつ、味方の選手が抜かれた場合や、ボールが抜けてきた場合に対応するイメージ。
以前はスイーパー(カバーリング専門のポジション)を置くこともあったけど、今では両方やるのが基本かな、ディフェンスラインの選手は。
自分のマークを見ることと、味方のカバーリング、両方やる。
ゴールキーパー(GK)の動き方
ゴールキーパーは、当たり前だけど、ゴールを止めるのが基本。
できるだけ正面でボールをキャッチする事を考える。
だから、手だけを出してボールを取るんじゃなくて、ボールが飛んでくるコース(正面)に体を動かしてキャッチする。
もちろん、全ては無理なんだけど、その意識があると素早く反応できるし、ミスも減る。
細かいキャッチングのところは、実際の練習の中でやるな。
キーパーは、ボールを止めるのがキーパー、ってイメージあるけど、まずシュートを打たせない状況を作ることが大切。
ようは、できるだけシュートを打たせないようにする。
シュート打たせなければ、止める必要ないんで。
フィールドプレーヤーにしっかりマークに付かせる。
だから、コーチング(声出すこと)できないとダメ。
あとは、カバーリング。
ディフェンスラインから抜けてきたボールに対応する。
だから、常にでボールが飛んでくることを予測(準備)しておく。
スイーパーとかリベロのイメージを持っておく。
攻撃の11番目の選手、といったイメージも持っておいて。
ディフェンスラインでのボール回しにも参加する。
ボール回し(ポゼッション)している時に、キーパーまでボールを下げられると非常に楽。
相手のプレッシャーが厳しい時に、一旦キーパーまでボールを下げて、ボール回しをやり直す。
だから、全てのポジションの選手がボールを持った時、一番後ろでボールを受けられるポジショニングを取ること(準備をしておくこと)。
各ポジションの動きについて
ざっと、各ポジションの動きを見てきたけどイメージついたかな?
今日は、なんとな~くイメージできてればいいんで。
実際の動き方は、グラウンドでやる。
何か質問ある?
「サッカーのポジションは、性格で合う合わないってあるんですか?」
サッカーのポジションは性格で合う合わないってありますか?
はいはいはい、性格とポジションの話な。
ん~、いろいろ言われてるけど、先生の意見を話すな。
結論から言っちゃうと、関係無い。
性格とポジションの適正、合う合うわないは、関係無い。
気が強いフォワードもいれば、のほほんとしてるフォワードもいる。
気が強いディフェンスもいれば、のほほんとしてるディフェンスもいる。
普段は、おとなしいけど、ボールを持ったら性格が凶変するやつもいるからなあ。
わかりやすい例でいうと、プロサッカー選手。
例えば、サンフレッチェ広島の左藤寿人選手と川崎フロンターレの大久保選手。
2人ともJリーグを代表するフォワード(点取り屋)。
性格全然ちがうよね。
直接会って話したことないんで、本当の性格ってわかんないけど、テレビとか見てたら大体わかる。
- 佐藤寿人選手=まじめタイプ
- 大久保嘉人選手=お気楽、気が強いタイプ
2人の性格は全然違うけど、同じぐらい点を取ってる。
だから、性格がどうこういうのは無い。
たぶん、2人に共通しているのは、
- 「フォワードをやりたい」
- 「ゴールを取りたい」
という気持ち。つまり、その気持ち、思い、があればいい、ってこと。
ようは、自分がやりたいと思うポジションが、合ってるポジション。
だから、みんなには、自分がやりたいポジションを目指して欲しい。
みんなあると思うんだよね、あんな選手みたいになりたい、っていうのが。
だから、自分がやりたいポジションを目指す。
できるだけ、みんなの希望にそったポジションにしようと思うけど、希望通りにできないこともある。
そのことは頭に入れといて。
ただ、自分が希望してないポジションだから、やりたくない、っていう考えはやめて。
今は、いろんなポジションをやることで、
- 新たな発見があったり、
- 自分が本当にやりたいポジションの参考になったり」
する。
だから、希望してないポジションでも、やってみる。
しっかりやる。
必ず、希望するポジションをやる機会はあるんで。
その時のために、やりたいポジションの練習もしておいて。
サッカーのポジションで8人制だと動き方や役割はどうなる?
最後に、8人制サッカーの話を少しだけするな。
うちのサッカー部は、少年の大会や練習会をサポートしに行くこともあるんで。
そこで、コーチや少年にアドバイスできるぐらいにはなっといて欲しい。
審判をやることもあると思うんでルールについても覚えといて。
細かいルールは、JFA(日本サッカー協会)の競技規則「8 人制サッカールールと審判法」を見ておいて。
で、練習で8対8はやることはあるんで、その辺のポイントも合わせて話をする。
まず8人制のサッカーなんだけど、数年前から少年の大会で導入された制度。
1人1人がボールを触る時間を増やすために導入されたんだな。
8対8は、うちの練習でもゲーム形式の練習でやる。
各ポジションの動き方や役割は、普通のサッカーと同じ。
まあ、しいて8人制と11人制のサッカーの違いを上げるとしたら、
- コートの大きさ
- ゴールの大きさ
- 選手との距離感
- ゴールへの意識
- 切り替えの早さ
ってとこかな。
でもな、これよく見て。
コート、ゴールの大きさは違うけど、
- 選手との距離感
- ゴールへの意識
- 切り替えの早さ
これらは、普通のサッカー(11人制)でも意識しないといけないこと。
だから、8人制のサッカーと普通のサッカー(11人制)の違いは、コート、ゴールの大きさ。
もちろん、細かい8人制のルールの違い、人数が違うんで、フォーメーションの違いはあるんだけど、その他は普通のサッカー(11人制)と同じ。
つまり、各ポジションの役割や動き方は、普通のサッカー(11人制)と同じ。
8人制だから、どうこうしないといけない、というのは無い。
8人制のサッカーも普通のサッカー(11人制)も同じように考えればいいんだよね。
サッカーのポジション解説のまとめ
ということで、ざっくりと各ポジションの動き方や役割について話してきたけどイメージできたかな?
実際の動き方については練習でやっていくんで、その時にまた説明する。
サッカーのポジションの役割や動き方を覚えることはっとっても重要。
自分のポジションだけじゃなく、全てのポジションのことを知っておくことは、チーム全体で共通意識を持てることになる。
つまり、みんなが同じ考えを持ってサッカーができるということ。
それが、プレーの連携の制度にもつながってくるんで、意識してほしいとこかな。
最初は、動き方なんか、わからないこと多いと思う。
そういう時は、まず、まねすることから初めてみて。
見て、聞いて、その動きをまねする。
まねして、その動きを覚えたら、いままで聞いてきた話がつながって理解することができると思うんで。
常に意識して欲しいポイントは、2つかな。
- 相手の動きを見る ⇒ 相手の逆を突いた動きをする
- 味方の動きを見る ⇒ 味方と連動した動きをする
相手の逆を突く、というのは、ボールを受ける振りして、裏に走るとか、右に行く振りして左に動くイメージ。
そうすると、マークが外れて、フリーになれてボールを受けやすくなるんで。
味方と連動した動きをするというのは、味方の位置と味方の距離間を意識して動くイメージ。
パスを受けられる距離間で、味方がいないところに動くイメージ。
ようは、同じ動きをしない、ってこと。
あと、大切なのは、自由な発想。
最低限の決め事を守れば、後は、自由に動く。
常に、ゴール(シュート)を意識しながらな。
まあ、またこういう話をする機会はあると思うけど、自分でもどんどん考えてみて。
質問あれば、直接聞きに来てくれればいいし。
じゃあ、練習をはじめようか。